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レーザシューでパーキンソン患者の動作停止を阻止

January, 9, 2018, Enshede--すくみ足歩行、歩きたいという意志はあるが、足が前に進まないことは、パーキンソン病の衰弱兆候である。歩行のリズムに、床に線を投影するレーザシューズは、人の歩行始動に役立つ。トゥエンテ大学(University of Twente)、ラドバウド(Radboud)大学医療センターの研究によると、その靴は装着者に著しい効果をもたらした。研究成果は、Neurologyに発表されている。
 歩行問題は、パーキンソン病では一般的であり、基本動作を無力化する。特に、すくみ足歩行は、より進んだ段階で一般に表面化する深刻な症状である。それは、数秒から数分続き、不慣れな環境のストレスあるいは薬剤の効果が弱まったときに一般に発現する。足は床に張り付いたままであるが、上体は動き続けるので、患者はバランスを崩して倒れる。
 パーキンソン患者は、独特の現象を経験する。意識的に床の対象物、たとえばゼブラゾーン(視覚的刺激)を見て、それをまたごうとすることで、歩行中の障害物を乗り越えることができる。これが脳の別の回路を活性化させ、障害物から自由になり、人は歩き続けることができる。これは、患者が家庭で床タイルを利用する理由である。レーザシューズにより、こうした有益な手段が日常生活で連続的に利用でき、歩行が容易に、安全になる。レーザシューズの背後にある原理は、簡単である。足が接触するとすぐに、左の靴が右足の前の床に線を投影する。患者はその線をまたいで前進する。それが右の靴のレーザを活性化する。
 現在の研究は、大きな患者グループで有効性を示している。すくみ足歩行は、靴の利用により46%減少した。このような症状の継続も、2つに分けられた。両方とも最も強かったのは、患者が薬剤投与を受けていない間であった。一般に、患者の歩行問題が最も大きかった時である。しかし、患者が薬剤投与を受けた後にも改善が見られた。
 「われわれのテストは、薬剤あり、なしの制御されたラボ設定で行われた」とMurielle Ferraye研究者はコメントしている。同氏は現在UTの生体医療信号とシステムグループで研究している。「日常環境におけるさらなる研究が必要だ。計画では、いずれ市販され、このレーザシューズ利用の試験を行う」。このシューズをテストした19名の患者のうち、大半はその利用に満足している。患者は、一歩毎にレーザが活性化することを気にかけていないようだった。「理想的には、レーザは障害が発見された時にのみ活性化すべきであるが、まだそこまで到達していない。すくみ足は非常に複雑な現象だからである」とFerrayeは話している。
(詳細は、www.utwente.nl)