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次世代光遺伝学分子、シングルニューロンを制御

November, 24, 2017, Cambridge--MITとパリデカルト大学(Paris Descartes University)の研究チームは、新しい光遺伝学技術を開発した。
 これは、改良した感光性分子を持つ個々の細胞を標的にするように光を変える。目的は、個別ニューロンが正確に刺激されることである。
 これまで、活性化のタイミングと場所の両方で、光遺伝学を使って単一の細胞をそのような精密制御で標的にすることは難しかった。この新な前進は、個々の細胞、それらの細胞間の結合が、運動の開始、新しいスキルの学習など特定の振る舞いをどのように生成するかという研究に道を開く。
 「理想的には、やりたいことは、ピアノのように脳をプレイすることである。ニューロンを独立に制御したい、従来の光遺伝学の働きのようにそれら全てを足並みそろえて行進させることではない」とMITの脳と認知科学、生物工学准教授津Ed Boydenは話している。
 新技術は,ニューロン細胞体に組み込んだ新タイプの感光性タンパク質を利用している。これは、単一細胞に光を集光することができるホログラフィック光形成と組み合わされている。
 
精密制御
Boydenのチームは、10年以上前、ニューロンの電気的活動を操作するために、微生物オプシンとして知られる感光性タンパク質の利用を初めて開発した。これらのオプシンは、ニューロン膜に埋め込むことができる。それらが一定の波長の光に晒されると、細胞を静めたり刺激したりする。
 過去10年、研究者はこの技術を使って、記憶読み出し、習慣形成など脳の活動中に多数のニューロンがどのように振る舞うかを研究してきた。従来、多くの細胞が同時に標的にされた。脳への光照射が相対的に広い範囲に当たるからである。しかし、Boydenの指摘によると、ニューロンは、例えそれらが相互に近い位置にあっても異なる機能を持っている可能性がある。
「2つの隣接細胞は、完全に異なる神経コードを持つことができる。それらは、全く違うことができる、違う刺激に反応し、異なる仕事中に違った活動パタンを示す」と同氏は説明している。
 単一細胞の独立した制御を達成するために研究者は、2つの新たな進歩を統合した。局所化された、より強力なオプシンと、最適化されたホログラフィック光形成顕微鏡である。
 オプシンでは、Boydenラボが2014年に発見したCoChRというタンパク質を使用する。研究者がこの分子を選んだのは、それが光に反応すると非常に強力な電流を生み出すからである(光遺伝学で使用された最初のタンパク質、チャネルロドプシン-2によって生成されるよりも約10倍強力)。
 研究チームは、CoChRを小さなタンパク質に融合させ、そのタンパク質はオプシンをニューロン細胞体に向かわせ、ニューロン体から広がる軸索や樹状突起から離す。これは、ニューロン間のクロストークを防ぐのに役立つ。一つのニューロンを活性化する光は,ターゲットニューロンと絡み合う他のニューロンの軸索や樹状突起にも当たるからである。
 Boydenは、次にEmilianiと協働して、このアプローチを光刺激技術と組み合わせた。この光刺激技術は、Emilianiが以前に開発したもので、2格子コンピュータ生成ホログラフィ(CGH)として知られている。これを使って、ターゲット細胞を包み込む光の3D彫刻を作ることができる。
 従来のホログラフィは、再生をベースにしている。元の対象がなくても、特定の対象の形状を光で再生する。これは、参照ビームで前に照射された対象物を再構築するのに必要な情報を含む「インタフェログラム」を作ることによって達成される。コンピュータ生成ホログラフィでは、インタフェログラムは、コンピュータで計算され、元の対象物は不要。何年も前に、Emilianiの研究グループが、2光子励起と結びつけて、CGHを使いレーザ光を再び集光して正確に脳の一つの細胞、所定の細胞グループを照射できることを実証した。
 新しい研究では,このアプローチと細胞体に群がる新しいオプシンとを組合せ、個々の細胞を刺激できることを研究チームは示した。空間的に精密制御されているだけでなく、刺激のタイミングも著しくコントロールされている。特定のニューロンを標的にしたとき、ニューロンは常に一貫して反応し、細胞が連続的に多数回刺激されたときでも、1ミリ秒以下の変動であった。
(詳細は、www.mit.edu)