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ブリガムヤング大学、マイクロ流体lab on a chipを3Dプリント

August, 17, 2017, Provo--ブリガムヤング大学(BYU)の研究チームは、100µm以下のサイズで効果的に使えるマイクロ流体デバイスを3Dプリントした最初のチームである。マイクロ流体デバイスは微小なチップで、血液のようなサンプルの病気バイオマーカー、細胞、他の小さな構造を、デバイス内蔵の顕微チャネルを使って分類できる。
 医療診断デバイスの量産に向けた大きなブレイクスルーである成果は、学術誌、Lab on a Chipに掲載されている。
 BYU化学教授、Adam Woolleyによると、イノベーションの要点は以下の2点。
・著しく高分解能でプリントする独自の3Dプリンタの作製
・新しい特殊設計のローコスト特注レジンの利用

 「他に流体チャネルを3Dプリントしたものもいるが、マイクロ流体ほどに小さくできたものはいない。だからわれわれは独自の3Dプリンターの作製と、それで利用するレジンの研究を決めた」とNordin氏は話している。
 研究成果は、labs on a chip。18×20µmの断面にフローチャネルを持つ。マイクロ流体デバイスを3Dプリントする以前の研究は、100µm以下を達成できなかった。研究チームの3Dプリンターは、385nm LEDを使用する。これは、405nm LEDの3Dプリンターと比較して、レジン処方で利用できるUV吸収選択が飛躍的に増加する。
 マイクロ流体デバイス製造用の3Dプリンティングの利点は、すでによく知られており、またその方法、デジタル光加工ステレオリソグラフィ(DLP-SLA)は、特に低コストアプローチに有望である、とNordinは指摘する。DLP-SLAはマイクロミラーアレイチップを利用して、デバイスのレイヤごとのプリンティング中に各レイヤの光学パタンを動的に作製する。
 マイクロ流体プロトタイピングや開発の従来法、ソフトリソグラフィや熱エンボス加工の優勢に3Dプリンティングが挑戦するための基礎を作ることになると研究チームは、主張している。
 Woolleyのマイクロ流体に対する研究的関心の焦点は、lab-on-a-chipデバイスを使って早産に関連するバイオマーカーを検出すること。その目的のために、研究チームは、国立衛生研究所(NHI)に、早産予測のためのアプローチ開発を論文で提出した。
 論文では、現在3Dプリントマイクロ流体で可能な特徴サイズの100倍の改善を表明している。また、時間も面倒な問題も削減する。BYUのアプローチは、30分でデバイスを作製することができ、クリーンルームも必要としない。
「単に小さな一歩ではない。1つのサイズから、以前は手が届かなかった3Dプリンティングの領域への巨歩を進めたことになる。マイクロ流体をより簡単に、安価に作製するための多くのドアが開かれる」とWoolley氏はコメントしている。