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レーザベースグラフェンで殺菌、生物付着防止

May, 24, 2017, Houston--ライス大学(Rice University)とネゲヴ・ベン=グリオン大学(BGU)の研究チームは、レーザ誘起グラフェン(LIG)が極めて効果的な防汚材料であり、電気を通すと害虫駆除装置になることを発見した。
 LIGはグラフェン、炭素原子の単一層のスポンジバージョンである。ライス研究所の化学者、James Tourは3年前にそれを開発した。安価なポリイミドシートを部分的にレーザで燃やすと、それが表面を相互接続したグラフェンシートの格子になる。それ以来、ウェアラブルエレクトロニクス、燃料電池の材料、超疎水性あるいは超親水性表面という用途を提案してきた。
 American Chemical SocietyのACS Applied Materials and Interfacedに発表されたレポートによると、LIGは表面を生物付着、微生物の増加から守り、濡れた表面を植物や他の生物物質から守る。
 「グラフェンのこの形態は、生物膜の形成に対して強い抵抗がある。これは水処理工場、石油掘削作業、病院、付着物の影響を受けやすい水中のパイプなど海のアプリケーションのような場所で有望である。電気を通すと、抗菌作用のある品質が、さらに大きな利点になる」とTour氏は説明している。
 小さな電圧を印加する電極として用いると、LIGは害虫駆除装置になる。1.1~2.5Vを印加すると、高導電性LIG電極は抗菌性が強力になる。
 顕微鏡で見とる、溶液内の蛍光タグ緑膿菌が1.1V以上のLIG電極でアノードの方へ引き付けられた。1.5Vを超えると、細胞が消え始め、30秒で完全になくなった。2.5Vでは、細菌は1秒後に表面から完全に消えた。
 Christopher Amusch教授の研究室はバクテリアを含んだ溶液でLIG電極を10%の二次処理廃水でテストし、2.5Vで9時間後、バクテリアの99.9%が死に、電極は生物膜形成に強い抵抗があることが確認された。
 研究チームは、LIGの粗い表面、電荷、過酸化水素の局所的発生による毒性の組合せで細菌が死滅すると推定している。
(詳細は、www.rice.edu)