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結腸腫瘍をターゲットにした侵襲の少ない内視鏡

May, 16, 2017, Billerica--EUの研究とイノベーションプログラム、Horizon 2020で助成金を得たヨーロッパの研究グループは、画期的な、コンパクトで使いやすい内視鏡の開発に取り組んでいる。これは、前がん状態のポリープや早期直腸がんの特定と診断で需要な役割を果たす。
 現在、このような病気の早期発見のための主要な方法は、大腸内視鏡である。大腸内視鏡の定期検診で最大40%の患者に1つ以上のポリープが見つかるが、これらのポリープの約30%は、特にフラットポリープの場合は見つからない。検出された中で、29~42%が一般に過形成であり、ガンに発展しない。残りが腫瘍性ポリープで、これらは最重要である。悪性であり、結腸直腸がんに発展する段階を示しているからである。このため、これらのポリープを早い段階で特定することが重要である。
 Dr. Artzai Piconは、PICCOLOプロジェクトについて説明し、従来の大腸内視鏡に対するPICCOLOの主な利点について次のようにコメントしている。「まず、OCTとてマルチフォトントモグラフィ(MPT)の両方を利用して先進的な内視鏡を開発することで、高解像度の構造的、機能的イメージングを実現する。従来の組織学的方法を用いて得られるよりも、細胞レベルで起こっている変化の詳細が分かる。さらに、患者に多数のポリープが発見されると、現在の至適標準では、そのすべてを除去し、顕微組織分析を行う。悪性の可能性がない過形成ポリープの除去し、続いて高価な組織的病理学的分析をすることは、PICCOLO内視鏡プローブの利用により避けられる。この内視鏡プローブで、組織生検の必要なしに画像ベースの診断ができるからである。
 このプロジェクトの長期的見通しでは、直腸がん検出の新たなアプローチだけでなく、新しい画像ベース診断法は、他の内臓の病気にも適用できる。研究チームは、2018年末までには、最初のプロトタイプを仕上げ、臨床試験は2020年ごろを目標にしている。
(詳細は、http://www.piccolo-project.eu/news/press-release/)