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ライス大学、オープンソース光遺伝学ハードウエア/ソフトウエアを開発

November, 28, 2016, Houston--ライス大学(Rice University)バイオエンジニアリング院生、Karl Gerhardtの研究チームは、初のローコストで、使いやすい光遺伝学ハードウエアプラットフォームを作製した。これにより、工学やソフトウエア設計のトレーニングをほとんど受けていない生物学者でも光遺伝学テストを自分のラボに導入して使える。
 Light Plate Apparatus(LPA)についての論文は、Scientific Reportsに掲載されている。LPAは、バイオエンジニアリング准教授、Jeffrey Taborの研究室で開発され、オープンソースのハードウエアとソフトウエアを使用する。装置は2つの独立した光信号を標準24-ウエルプレートの各ウエルに供給し、青から赤色までの波長のLEDsを取りつけるソケットを持つ。LPAのコンポーネントの総コストは400ドル足らず。150ドルは、3Dプリンタラボ向け、各ユニットは専門家でなくても1日で組立てキャリブレーションができる。
 研究チームによると、パーツ作製は3Dプリンタを活用、作成したソフトウエアIrisは、簡単なボタンとプルダウンメニューを使って研究者が広範な実験用に装置をプログラムできるようにしている。
 光遺伝学では、感光性分子をもつ細胞を遺伝的に変更し、光を使って遺伝子や他の細胞過程をON/OFFできるようにしている。最も注目すべき成功は、脳にインプラントできる光ニューロインタフェースの発明に続く神経科学である。ここでは、攻撃、養育、薬物中毒、交配、同性に惹かれること、不安、強迫神経症にかかわる細胞やメカニズムが探求された。
 Gerhardtは、「神経科学の外で、光遺伝学を行うための生物学的ツール、光センシングタンパク質、遺伝子発現システム、タンパク質の相互作用などを皆が開発してきたが、そうしたツールを使いやすくするハードウエアを実際に誰も開発してこなかった」と指摘している。
 Gerhardtは、キイロタマホコリカビを研究しており、研究グループが「光チューブアレイ」(LTA)を作製していた。これは一度に最大64試験管で光遺伝学を行うための自動システム。これを改良して、例えば多様な色のLEDsを簡単に交換できる標準ソケットを組み込んだ。さらにSDカードリーダー付の低コストマイクロコントローラ、4000レベル以上の光強度を生成できるドライバ、ミリ秒制御などを追加した。
 Irisは、GUIを使って、特殊なコンピュータトレーニングを受けていない人でも簡単にLPA実験をプログラムできるようにしている。