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KIT、3Dレーザ技術でナノスケールAFM先端を自在にデザイン

September, 1, 2016, Karlsruhe--3Dレーザリソグラフィは、生物学や工学のナノ構造研究用の顕微鏡を強化する。
 原子間力顕微鏡(AFM)は表面のナノ構造を可視化する。そのプローブは、最高精密測定ニードルで研究材料をスキャンする。カールスルーエ工科大学(KIT)は、このニードルをアプリケーションに適応させることに成功した。計測作業では、例えば生物学サンプル用に、適切な計測ニードルが作製可能になる。製造は3Dレーザリソグラフィが適用される。ナノメートルサイズの3Dプリンタ構造である。
 AFMは、表面を原子レベルで分析するために使用される。これまでこの目的で適用されていた標準プローブは、全ての用途に適しているわけではなかった。研究対象の中には、材料の窪みを深くスキャンするために特別な形状の非常に長いプローブを必要とするものがある。KITの研究チームは、特殊要件に最適に対応するプローブを作製することに成功した。
 「生物学的表面、チューリップやバラの花弁など、盛り上がりが高く非常に深い構造になっている場合がある」とKITマイクロ構造技術研究所スキャニングプローブ技術グループ長、Hendrik Hölscherは指摘する。市販のプローブは一般に高さ15µm、ピラミッド型で、相対的に幅広である。他の形状のプローブは、手作業で作製する必要があり、非常に高価になる。
 KITの研究者は、3Dレーザリソグラフィによってプローブを半径25nmの任意の形状に作製することに成功した。このプロセスを使って、所望のどんな形状でも3Dで設計、プリントできる、またこのプロセスは以前からマクロ分野では知られていた。ナノスケールでは、このアプローチは非常に複雑である。所望の3D構造を得るために研究チームは、KITが開発し、スピンオフ企業、Nanoscribeが商用化している3Dリソグラフィプロセスを使う。この方法は、二光子ポリマリゼーションに基づいている。強く集束したレーザパルスを使用して、所望の構造が作製された後に、感光性材料を固める。固められた構造は次に周辺、非露光材料から分離される。「こうして、研究対象のどんなサンプル向けにも、完全なプローブが作製できる」とHölscherは話している。