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2つのイメージング技術を組み合わせて危険な冠動脈プラークを特定

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March, 15, 2016, Albany--OCTと別の先端イメージング技術を組み合わせることで、非常に破裂しやすく心臓発作を起こしやすい冠動脈プラークをもっと正確に特定できる。
 JACC心臓血管イメージング(JACC Cardiovascular Imaging)に発表されたレポートでは、マサチューセッツ総合病院(MGH)ウエルマン光療法センタ(Wellman Center for Photomedicine)の研究グループは、OCTと近赤外自己蛍光(NIRAF)イメージングの両方を利用するカテーテルベース・デバイスの患者への初の適応を報告している。
 「OCTは組織の微細構造画像を提供するが、化学成分や分子成分の画像は示さない。これらの両方の特徴は冠動脈疾患を完全に理解するために必要であるので、OCTとNIRAFの組み合わせが冠動脈病変の研究に、より強力なツールとなる」とウエルマンセンタのGary Tearneyは語っている。
 OCTによって提供される詳細画像は、血管の内部表面で跳ね返る近赤外光によって作られ、心臓発作や突然の心臓死を起こす可能性のある、破れそうな「不安定」プラークの特定が可能になる。NIRAFのような蛍光イメージング技術は、特殊な光波長で動脈を照射し、ある分子を励起する。その分子は、多様な波長を放出し反応する。ある分子だけが反応するので、結果として得られる信号は分析される組織の分子成分についての情報を提供する。
 研究チームは、NIRAFによって提供される追加のデータが動脈プラーク内の破れそうな部位を特定できるかどうかを調べていた。特に、繊維粉瘤、薄い繊維キャップで覆われた死細胞の核で構成される進行病変、これは特に破れやすい。死体からの冠動脈セグメントを用いた以前の研究では、NIRAF信号が繊維粉瘤で持ち上げられ、細い繊維キャップの細胞では最高となることを示した。現在の研究は、生きた患者でNIRAFの利用を初めて研究している。
 研究では患者12名が登録され、2014年7月~2015年1月の間にMGHで心臓カテーテル法を受けた。患者の心臓疾患を診断、処置するために行われた臨床処置に加えて、MGH冠状動脈インタペンション(MGH Coronary Intervention)ディレクタ、Farouc Jafferは、ウエルマン/MGHチームが開発した新しい機器を使用した。これは、OCTとNIRAFデータの両方を取得して冠動脈セグメントの画像を構築する。治療中の医療処置は、従来のOCTイメージングで使用される処置と一致していた。
 「OCT-NIRAFイメージングを行うことは、単独の冠動脈OCTイメージングを行うようである。また、近赤外蛍光生体プラーク情報も取得することができた。これはOCT解剖学的画像とシームレスに統合されており、追加の時間は必要でない。OCT-NIRAFの臨床的成功は、注入可能な分子あるいは細胞特異薬剤を用いた標的近赤外蛍光分子イメージングへの道を開くものである」とJaffer氏は話している。
 研究の初期結果では、処置が従来のOCTと同様に安全で、利用可能であることが確認できた。OCT-NIRAF画像は、NIRAF信号が、OCTの結果が繊維粉瘤の存在を示唆するところで高くなり、薄いキャップの病変、プラーク破裂や血栓形成の部位でさらに高くなることを明らかにした。NIRAF信号のいくつかの面は、他の心臓血管イメージング法によって得られたパタンと異なっていた、また分子レベルの基盤NIRAF信号結果を判断するにはさらなる研究が必要とされる。NIRAFは炎症の証拠を示す部位でも上昇した、これは破れそうなプラークのもう1つの有望な生体指標である。
 「全般的に、統合OCT-NIRAF試験は、血管プラーク内の分子についての情報を提供する、また急性冠動脈イベントの危険性の高さに関連する他の特徴についての情報も提供してくれる。しかし当座は、これは仮設であり、われわれの結果はもっと大掛かりな研究で証明される必要がある。われわれが予定している研究は、今年の後半に行われる」とハーバードメディカルスクール、病理学教授、Tearneyは話している。