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ドレクセル大学、パーキンソン症候群に新たなアプローチ

prefrontal cortex

December, 24, 2015, Philadelphia--ドレクセル大学が開発したポータブルデバイスを使って、アルバート・アインシュタイン医科大学の研究者は、パーキンソン症候群と健常者の脳活動パタンの差を特定した。
 Brain Research誌に発表された論文は、バランス制御で前頭葉前部皮質が重要な役割を果たしていること、高齢者のパーキンソン病症状の検出と治療に影響を持つ可能性を示している。
 パーキンソン病は、運動を制御する脳細胞が死ぬときに起こる神経疾患で、その病気の晩期には、数歩歩くと倒れてしまう患者が多くなる。高齢者では一般的になっているパーキンソン病症状は、パーキンソン病の診断で明らかになるというよりも、硬直、震え、歩行困難など、その病気の多くの症状を網羅する疾患である。
 パーキンソン病症状の患者の脳活動と姿勢安定性を比較するこれまでの方法には限界があった。神経画像処理ツールは研究対象の患者が横たわっているときにしか使えず、歩行あるいは立っている時には使えなかったからである。こうした場合、脳の走査を受けている人は、そうした動作をしていることを想像するだけであった。
 ドレクセル大学生体医療工学、科学・健康システムの研究者が開発したポータブルシステムは、こうした問題を克服した。研究者は初めて、立っていたり歩行したりしている時の脳前頭葉前部皮質の役割を一層よく理解できるようになった。
 同デバイスは機能近赤外(fNIR)分光を利用する。これは、人が活動し、テストを受け、刺激を受けるときに、光を使って脳の血液酸素化変化をモニタする。脳前頭葉前部皮質は、記憶、問題解決、決断などの高度な処理を行う部分。例えば、人が新しい技術を習得しようとしている時、この領域の活動が強くなる。
 fMRIと違い、fNIRシステムは完全ポータブルである。テスト参加者は、ヘッドバンドをつけるので、コンピュータでリアルタイム情報を収集しながら話したり動き回ることができる。
 「姿勢の安定性は、高齢者にとって大きなリスク因子である。バランスを維持する認知的成分をモニタできるなら、これは最終的には、パーキンソン病症状、あるいはパーキンソン病の人々でも、よりよい治療オプションにつながる」と論文の共著者、Meltem Izzetoglu, PhDは話している。
 アルバート・アインシュタイン医科大学の研究チームは、fNIR技術を使って、126の健常者、117の軽いパーキンソン病症状の人々、26のより症状が重い患者を比較した。fNIRヘッドバンドを装着中、参加者は10秒数える間に立ったり、まっすぐ前を見たりするように求められた。さらに、マットの上を歩いて、歩行速度、ペース、歩幅を測定した。fNIRシステムは、全テスト中の脳の酸素レベルを記録した。
 パーキンソン病症状の人々は、軽い症状および症状がない人々と比べて、立っている時の安定性維持に前頭葉前部皮質の酸素化レベルが非常に高くなることが分かった。
 「前頭葉前部皮質の脳活動はほぼ二倍だった」と研究リーダー、神経学准教授、Jeannette R. Mahoney, PhDはコメントしている。
 「この初めての研究により、脳活動を現実的な設定でリアルタイムに測定できた。健常者とパーキンソン病症状の患者の前頭葉前部皮質に大きな違いがあることが分かった。そのような違いは立っている間に安定性を維持する活動に関係している。これは、新たな研究分野を開くことになる」とIzzetogluは語っている。