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ホロトモグラフィ、リアルタイム、ラベルフリーで細胞を可視化

April, 25, 2016, Daejon--KAISTの研究チームは、細胞を見たり分析するための革新的な生物医学イメージングツール、HT-1を開発した。これは商用販売される。
 KAIST物理学部、YongKeun Park教授の研究チームは、生きた細胞を染色なしで3Dイメージングする強力な方法を開発した。研究チームは、、Park教授が共同創始者となっている韓国のスタートアップTomoCubeを通じて、この新しい顕微装置HT-1を世界市場で販売する。
 同教授はバイオフォトニクス分野の研究者で、デジタルホログラフィック顕微鏡技術が専門。同氏は、TomoCubeのR&Dチームと協力して、生物細胞や組織のリアルタイムラベルフリー可視化が可能な、最先端の2D/3D/4Dホログラフィックマイクロスコープを開発した。
 HTは、X線コンピュータトモグラフィの光学アナロジー。X線CTとHTは同じ物理原理、波動散乱の逆数を使用している。違いは、HTはレーザ照射を使うが、X線CTはX線ビームを使う点。細胞のマルチ2Dホログラムの計測から、様々な角度からのレーザ照射とともに、細胞の3D屈折率(RI)分布が再構成できる。再構成された3D RIマップから細胞の構造と化学情報が得られる。質量、形態、タンパク質濃度、それに細胞膜の動力学。
 HTによりユーザは、定量的、非侵襲的に生物細胞の固有の特性を調べる、例えば乾燥質量、タンパク質濃度。HT独自の特殊機能を利用する研究チームのブレイクスルーは、最近の発表に含まれるものもある。同時3D可視化、光学的にトラップされた位置検出など。
 現在の共焦点顕微鏡技術は、高コントラスト分子情報を提供するために外部の標識薬剤の使用が必要になる。したがって、欠点としては、光退色、光毒症、正常な分子活動との干渉などがある。体内に再注入する必要がある免疫細胞、幹細胞では蛍光顕微鏡の使用は特に難しいと考えられている。
 「現在利用できる2つのうちの1つ、高解像度トモグラフィック顕微鏡として、HT-1は仕様、機能の点で世界最高クラスであると考えている。ユーザは、細胞の3D/4Dライブ画像を、細胞を固定、コーティングあるいは染色することなく見ることができる。試料準備時間は数日あるい数時間から、数分に短縮できる」と朴教授はコメントしている。
 韓国の2つの病院でこの顕微鏡は現在使用されている。